ここでは昨年11月に発表された調査結果(※)から、各介護サービスの収支差率と収入に対する給与費の割合をみていきます。
調査結果から、介護サービスごとの収支差率((介護サービスの収入額−介護サービスの支出額)÷介護サービスの収入額)と、収入に対する給与費の割合をまとめると、下表のとおりです。
収支差率をみると、施設サービスでは介護老人福祉施設と介護老人保健施設で、コロナ関連補助金および物価高騰対策関連補助金を含まない税引前収支差率がマイナスになりました。対前年度増減は、介護医療院もあわせて3サービスともマイナスでした。
居宅サービスは、すべてのサービスで収支差率がプラスになっています。対前年度増減も、プラスのサービスが多くなりました。
地域密着型サービスの収支差率は、地域密着型介護老人福祉施設以外がプラスとなりました。対前年度増減は参考値を除くと半数がマイナスという状況です。
次に収入に対する給与費の割合をみると、施設サービスはすべて60%台で、前年度より増加しました。居宅サービスは30〜70%台と割合に幅があり、前年度より減少しているサービスが多い状況です。地域密着型サービスは50〜70%台の割合で、前年度より増加したサービスが多くなりました。
貴施設等の状況はいかがでしょうか。
(※)厚生労働省「令和5年介護事業経営実態調査結果の概要」
全国の介護保険サービスから抽出した33,177施設・事業所を対象に実施した調査です。収支差率は上段の数字が、コロナ関連補助金および物価高騰対策関連補助金を含まない税引前収支差率、下段の数字はコロナ関連補助金および物価高騰対策関連補助金を含む税引前収支差率です。表中の※の数値は集計数が少ないため参考数値です。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。