文書作成日:2024/12/24
2025年4月1日から、雇用保険の高年齢雇用継続給付における支給率が変更になります。以下では、高年齢雇用継続給付のうちでも対象となる人が多い「高年齢雇用継続基本給付金」について、制度の概要と変更内容をとり上げます。
[1]高年齢雇用継続基本給付金
高年齢雇用継続基本給付金とは、60 歳に達したとき等の賃金額に比べ、その後に支給される賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者に支給される給付金です。
支給要件を満たした被保険者がハローワークへ申請することにより、支給対象となる各月に支払われた賃金の最大15%の給付金が支給されます。
[2]給付金の支給対象者
高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となる人は、60歳以上65歳未満の一般被保険者であることに加え、被保険者であった期間が通算して5年以上あることが必要です。そのため、例えば57歳で退職してから基本手当等を受給し、58歳で再就職をした後に60歳に達したとしても、被保険者期間が5年未満の間は支給されません。
[3]支給率の引き下げ
2025年4月1日以降は、現在の支給率の上限が引き下げられ、賃金の低下率が75%以上のときは支給されず、64%以下のときは10%となります。64%超75%未満のときには、0%〜10%の間で賃金の低下率に応じた率が計算式により算出されます。
[4]引き下げの対象者
支給率が引き下げとなる人は、2025年4月1日以降に60歳に達した日(その日時点で被保険者であった期間が5年以上ない人はその期間が5年を満たすこととなった日)を迎えた人です。2025年3月31日までに受給資格が発生した人は、変更前の支給率が引き続き適用されます。
高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降の賃金額が低下している従業員の生活に影響を与えるものでもあるため、特に今回の支給率の引き下げの対象となる従業員に対して、事前に制度の内容を説明しておきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。