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文書作成日:2025/05/15
障害福祉サービス等の処遇改善、政策の効果は?

 2024年度の報酬改定では、医療従事者や介護職員とともに、障害福祉サービス等従事者についても、処遇改善のための改定が行われました。その効果を検証する調査の結果が、厚生労働省より公表されています。

 調査は2024年10月に実施され、7,828施設・事業所からの有効回答を集計したものになります。

加算の取得(届出状況)

 福祉・介護職員等処遇改善加算の2024年9月30日時点の取得(届出)状況は、「取得(届出)している」事業所が87.0%でした。種類別では49.5%の事業所が加算Tを、18.7%が加算U、12.3%が加算Vを取得しています。

 取得(届出)をしない理由では、「事務作業が煩雑」が32.4%で最も多く、「届出に必要となる事務を行える職員がいない」17.3%、「算定要件を達成できない」15.2%と続いています。

給与等の引き上げの対象者

 給与等の引き上げの対象者は、「施設・事業所の職員全員について、給与等を引き上げ(予定)」が56.0%でした。

 職員の範囲では、「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者」が80.5%で最も多く、次いで「事務員」35.6%、「看護職員」27.1%となっています。

賃金改善の実施方法と政策の利用状況

 賃金改善の実施方法は、「ベースアップ等により対応」が69.0%、「定期昇給を実施することで対応」が40.6%でした。

 また、2024年度に措置された加算額は、2025年度のベースアップに繰越して充当することができますが、その繰越状況をみると、「加算額の一部を令和7年度に繰り越した(予定)」が15.2%、「加算の全額を令和6年度分の賃金改善に充てた(予定)」が77.8%となっています。

 賃上げ促進税制の適用については、「賃上げ促進税制の対象外(社会福祉法人)」が39.4%、未定が27.8%でした。

平均給与額等の状況

 最後に、福祉・介護職員等が受け取る給与額にどの程度影響したのかを見ていきます。

 福祉・介護職員等処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における平均基本給与等(※1)(常勤の者)を、2024年9月と前年同月を比較すると、下表のようになります。

職種@2024年9月A2023年9月@−A
福祉・介護職員253,710円240,850円12,860円
サービス管理責任者318,460円303,380円15,080円
看護職員305,730円292,650円13,080円
理学療法士・作業療法士302,910円292,070円10,840円
機能訓練担当職員(言語聴覚士含む)285,430円273,160円12,270円
心理指導担当職員317,620円306,000円11,620円
管理栄養士・栄養士275,470円263,540円11,930円
調理員228,430円217,760円10,670円
事務員269,800円257,090円12,710円

(※1)基本給等=基本給(月額)+手当のうち毎月決まって支払われる手当(通勤手当、扶養手当、超過労働給与額等は含まない。)

 次に、平均給与額(※2)(常勤の者)の状況を見ると、下表のようになります。

職種@2024年9月A2023年9月@−A
福祉・介護職員327,720円307,750円19,970円
サービス管理責任者405,480円385,120円20,360円
看護職員421,390円399,130円22,260円
理学療法士・作業療法士399,850円381,230円18,620円
機能訓練担当職員(言語聴覚士含む)374,120円346,750円27,370円
心理指導担当職員447,850円432,230円15,620円
管理栄養士・栄養士367,090円347,820円19,270円
調理員299,390円285,000円14,390円
事務員357,080円339,260円17,820円

(※2)平均給与額=基本給(月額)+手当+一時金(4〜9月の支給金額の1/6。賞与等含む。)

 調査結果の詳細は、以下のサイトで公開されています。ご確認ください。

[参考]
 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果

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